茨商連・日立民主商工会

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実践紹介・民商に相談して悩み解決

実践紹介・民商に相談して悩み解決

 「仕事が欲しい」「融資や生活福祉資金を受けたいけど、どうすればいいの」―。仕事確保や資金繰りでお困りのことはありませんか。各地の民主商工会(民商)は、困難を乗り越え、中小業者として生き抜こうと、仲間と一緒に国や自治体、金融機関などに働きかけ、仕事や融資、生活福祉資金を獲得しています。その実践を紹介します。一人で悩まず、最寄りの民商へ相談して下さい。

住宅リフォーム支援事業
2400万円の仕事受注  秋田・能代民商 民商が指定窓口に

リフォーム助成制度を活用した屋根の塗装工事

 秋田・能代民商は、3月から実施されている秋田県と能代市の「住宅リフォーム緊急支援事業」の活用を呼びかけ。民商会員に限っても8事業所が15件の工事を受注、工事総額は約2400万円に上っています(4月25日現在)。

 県と市の制度を活用すれば、最大40万円の補助が受けられる住宅リフォーム支援事業。県連、能代民商は県が指定する申請窓口になっており、申請書類の書き方などの問い合わせが相次いでいます。
 制度実施後、すでに3軒目の住宅リフォーム工事を行っているのは、塗装業のSさん。会員とのつながりを生かした「仕事おこし」で受注につなげています。  会員から屋根の塗装を依頼されたSさんは、工事費が50万円以上になればリフォーム助成制度が適用されると説明。その結果、外壁の修繕工事も受注することができました。  「民商仲間の住宅はサービス満点かつ格安」と話すSさん。「この時期にこれだけ仕事ができると思わなかった」と喜びも満点です。  Sさんに仕事を依頼した会員からは「補助金の申請についても業者の方が親切に教えてくれた」「工事費の支払いは大変だけど、この制度があって本当に助かった」と喜びの声を寄せています。  また、独自のチラシを作製し商工新聞に折り込む会員や、近所を訪問して営業活動をする工務店も。リフォーム工事を数多く手がけていた業者も「大変良い助成金。どんどん利用していきたい」と話し、別の工務店の会員も「県・市のリフォーム助成金のほか住宅エコポイント・住宅ローンの利子に対する助成金など、答えられるように勉強しておかないと」と話しています。

200万円の融資実現
 群馬・高崎民商 勉強が力に
 群馬・高崎民商のAさん=建築=は4月13日、200万円のプロパー融資(保証協会保証付き)を実現しました。「一人ではどこも貸してくれないと思ったけど、勉強すれば借りることができるということを民商の仲間に教わった。民商ニュースも役立った。今後も学習会に参加したい」と話しています。  Aさんは09年1月から外壁工事の仕事を始めました。売上金は人件費などの支払いに回しているため、材料の仕入れ代金や請負工事代金が不足していまいました。  しかし、仕事を始めたばかりで、どうやれば資金を借りられるか分からずに悩んでいたところ、「1人で悩まず民商へ」と書かれた看板を見て、初めて民商の存在を知りました。  「これだ。思い切って相談してみよう」と今年2月末、民商の事務所を訪ね、その場で入会しました。入会後は、毎週火曜日に開かれている「金融検討会」に参加。必要書類の書き方もまったく分からなかったAさんですが、納税誓約書や事業計画書を民商会員のアドバイスを受けて書き上げました。  昨年1年間の発注書や仕事内容のまとめを作成し、その努力が実って入会してわずか45日間で、市内の信用組合から融資を受けることができました。
生活福祉資金の借り入れが実現した垣内さん(仮名)。自らの手で加工場を作っています


生活福祉資金が次々  宮崎・日向民商会員3人が活用  172万円貸し付けも
 宮崎・日向民商では、今年に入ってから3人が生活福祉資金の借り入れを実現。積極的に申請することで、県や市の社会福祉協議会(社協)の対応もスムーズになりつつあります。
 Iさん=大工=は3月25日、福祉費(生業費)172万円を借り入れ、「これで安心して事業ができる」と話しています。  Iさんは親の代からの大工道具が老朽化し、仕事に支障が出ていました。班会で生活福祉資金が使いやすくなったことを聞き、社協へ申請。書類は受理されたものの、後日「県社協の判断で、資金で売り上げが上がるのか、仕事が増えるのか、確実でなければ無理」と断られました。  Iさんは宮崎県商工団体連合会(県連)の小西文孝事務局長らとともに県社協と交渉することに。「借入申込書」や「事業継続計画書」の家族の収入の中に別世帯の祖父母の収入が書いてあり、「低所得者に当たらない」ことの判断理由になっていたことが判明。あきらめず先代からの事情や仕事が増えている点などを訴え、再び200万円の申込書を提出し、後日、172万円が振り込まれました。
 日向市内で店を営む垣内祐次さん(仮名)=飲食=は3月27日、福祉費(生業費)150万円を借り入れました。「資金を借りる場所がない。飲食業だけでは生活できず、新たに魚介類の加工をしようと思っている」と相談に訪れた垣内さん。必要な資金は300万円。まず150万円を景気対応緊急保証で銀行に申込み、その後、加工用の機械工具を買うためのお金を生活福祉資金で借りることに。何度も社協へ足を運び、借り入れが実現しました。
 美郷町のNさんは「子どもが進学するのに教育ローンが通らない」と相談。美郷町の社協の担当者が熱心に対応してくれ、3月5日、教育支援資金72万円を借りることができました。

緊急保証で850万円
 兵庫・宝塚民商 返済減額も
 兵庫・宝塚民商のYさん=建設=は3月分から住宅ローンの返済額の減額をかちとり、月々9万円から2万8000円にすることができました。銀行に行き、住宅ローンを減額した記事が載った商工新聞を示したところ、2年前に門前払いを受けたのがうそのようにトントン拍子で話が進みました。「月々の返済額が減って気持ちが楽になった。民商に相談したおかげ」と喜んでいます。  Yさんは昨年11月にも緊急保証制度を活用し、850万円の借り換え融資を実現。返済月額を18万円から9万2000円と半分にできました。立て続けの減額に民商への確信が深まっています。  Yさんは妻の介護で、長時間、仕事ができなくなり、事業資金と住宅ローンの返済を減らせないかと考えていました。そんなとき、友人から民商のことを知らされ、昨年8月に入会しました。
 相談を受けた民商では、緊急保証制度の活用で新たな融資を借り入れ、3口の融資のうち2口を完済して月々の返済額を減らそうと話し合いました。ところが、緊急保証は前年度から3%の売上減となっている人が対象。前年度がさらに悪いYさんの場合は「今年度は回復傾向にある」との理由で一度は断られました。しかし、粘り強く交渉し、前年度は家庭の事情で長時間働けなくなった事情を認めさせ、前々年度の売り上げとの比較で融資が決定しました。
 今後は小規模工事登録制度を活用したいと頑張っています。